2020/07/21 13:22

今回はPHABLICxKAZUIで新しくラインナップしたレディスアイテムのセーラーカラーシリーズをご紹介します。
こちらショートタイプとロングタイプの2種類をラインナップしています
肩幅を狭めに設定したギャザースリーブのAラインシルエット、
フロントは比翼仕立てでミニマルな印象を持たせ
大きなセーラーカラーが特徴です
立体的な二枚袖を採用することで着用の際の運動性や、クラシカルな仕立ての良さを体感していただける1着となっています。
カラーバリエーションは4色で
ホワイトとブラックの生地には日本国内で超高密度に織り上げたタイプライタークロスを使用、
職人の手作業によるワッシャー加工を施し、ハリ感とシワ感を持った独特な風合いを携えており、季節的には秋冬向きな素材感ですね。



少女のような雰囲気と、どこか凛としたイメージも併せ持つアイテムに仕上がっているかと思います。
そしてここからはちょっと長めの余談ですがセーラーカラーの歴史について少し
セーラーカラーといえば日本ではセーラー服として女子学生の制服としてのイメージが強いのですが、
そもそもの起源を少し遡ってみると面白い歴史があります。
1800年代初頭に水夫の甲板服として誕生し、
その後イギリス海軍で1857年に制服として採用されたことを契機に世界中の海軍で採用され、
その流れで海軍幼年学校の制服に採用されたことにより、19世紀後半には子供服としても普及していったようです。
*セーラーカラーの独特な形にはいろいろと諸説あるのですが船乗りが甲板上で風の影響によって音声が聞き取りにくいときに襟を立て集音効果を得るためだと言われているのが一番有力とされていますがこれも定かではないそうです。
形も元は円形だったものが男性が自分で繕うのに簡単にできるようにと四角形になったとも言われています。
ヨーロッパ各国の学校が、制服として採用していたのは19世紀末から第2次世界大戦頃まで、多くの学校で女生徒はセーラー服を着ていたそうです。
さらに20世紀に入りヨーロッパでは、セーラー服は婦人服の新しいファッションとして登場します。
当時のヨーロッパは、スポーティーでボーイッシュなファッションが女性の間で広く普及した時期でもあり、大流行したそうです。
日本海軍では、1872年に水兵の制服として採用され、1920年ごろから各地の有名女学院で制服として採用され始めたそうです、当時は高等教育を受けることのできる一部の恵まれた人の象徴でもあり、ある種の憧れの的であったそうです。
*ちなみに男子は陸軍式の5つボタンの詰襟、女子は海軍式のセーラー服といった、軍服から派生した制服という背景もやはり現代の服飾文化が醸造される過程を見ているようで、とても興味深いです
そして戦後、教育が自由で平等なものとなった際に、当時の素材や縫製の技術革新も相まって誰もが着ることのできるものとしてこれらが一気に全国の学校制服にと広まったそうです、
結果的にそこで築いた(手に入れた)伝統を守りたい日本の教育の現場があって、
現在では世界中で最もセーラー服を着る日本という不思議な位置付けになったことはとても面白いなぁと思う次第です。
こうして改めて調べてみると、ひとつのディテールや様式が労働着から軍服、子供服や女性のファッション、制服にまで広がっていく様子に
は、伝聞のスピードが今よりもはるかに緩やかであった時代に、
様々なシーンや文化に根を張りながらいろいろな人の手に渡り、独自に進化を進めていった結果なんだなと、改めてその背景に思いをはせるとともに、羨ましささえ感じてしまいます。
そんなこんなで余談が非常に長くなりましたが、性別年齢を問わない進化を続けたセーラーカラーのPHABLICxKAZUI的提案を多くの人に知っていただければ幸いです。